1つかそれ以上の頭を持ち、2本足で立ち上がっている犬たち。異形の体躯の大小さまざまな捻れた犬たちが約20体、メインギャラリーに展示されました。彼らは「水犬」と名付けられ、小さなものは50センチほど、ヘリコプターのように耳を大きく広げて上空へと旋回しようとしているように見える犬も。大きなものは2.5メートルほどもあり、あるものは口を閉ざし、あるものは咆哮すれども声にはならず。すべて雄犬らしい。会場にはかすかな音でシャチの鳴き声のテープを流しました。

サブギャラリーには、吉野が戦中に飼っていたジャーマン・ポインターをモデルにした「記憶装置の犬」などを展示。こちらは捻れてもおらず、蓄音機に耳を傾ける有名な犬のように素直に座っていました。

会期:1989年9月26日〜12月9日
会場:P3 Alternative Museum, Tokyo
主催:P3 Alternative Museum, Tokyo