About

沿革

P3 art and environmentは、都市・地域計画家である芹沢高志が、東京・四谷の禅寺、東長寺の開創四百周年記念事業に招かれ、 新伽藍建築計画に関与したところから始まります。芹沢は新伽藍地下に講堂を設け、そこで現代美術を中心とする文化活動を展開する計画を提案しました。 東長寺はそれに応え、寺院内に専属の企画立案/実行のための付属機関P3 Alternative Museum, Tokyoを設立するとともに、1989年4月より、東長寺講堂P3における展示活動を開始しました。

いくつかの企画展示を経た91年2月、蔡國強の「原初火球」展を機に活動の内容を示すP3 art and environmentと改めました。 アート×環境およびその関係性に着目したあらゆることを範疇とし、およそ40件の現代美術展、70件を超えるレクチャー/ワークショップを東長寺講堂P3を拠点として展開しました。

その後、活動の多様化と、東長寺自体の宗教業務拡大に伴って講堂の利用に制限が出てきたことから、1995年12月に東長寺より独立、 P3 art and environment事業の一環としてピースリーマネジメント有限会社を設立し、自らの活動を支えるための法人としました。 99年のシネ・ノマドによる「スリー・ウィンドウズ」展を最後に東長寺講堂での企画展示を終了し、以降は場所を限定しないさまざまな形態のプロジェクトを展開しています。

活動

P3の活動テーマは「精神とランドスケープ」に集約できます。それは、人間と環境、人間と社会のあいだの、ダイナミックな相互形成プロセスを意味しています。 人とそれを取り巻く環境との絶え間ない相互作用によって切り開かれていく時代の精神は、すぐれたアーティストたちによって顕にされてゆきます。 P3はアートの可能性を信じ、アーティストたちとの協同によって生み出されたさまざまな分野での取り組みを社会に提示していきます。

芹沢高志 プロフィール

1951年東京生まれ。神戸大学理学部数学科、横浜国立大学工学部建築学科を卒業後、(株)リジオナル・プランニング・チームで生態学的土地利用計画の研究に従事。その後、東京・四谷の禅寺東長寺の新伽藍建設計画に参加したことから、1989年にP3オルタナティブ・ミュージアム東京(現 P3 art and environment)を開設。1999年までは東長寺境内地下の講堂を拠点に、その後は場所を特定せずに、さまざまなアート、環境関係のプロジェクトを国際的に展開している。とかち国際現代アート展『デメーテル』総合ディレクター(2002)、アサヒ・アート・フェスティバル事務局長(2002-2016)、横浜トリエンナーレ2005キュレーター、別府現代芸術フェスティバル『混浴温泉世界』総合ディレクター(2009、2012、2015)、さいたまトリエンナーレ2016ディレクター(2016)、さいたま国際芸術祭2020参与などを歴任。2012年から2021年まで、「デザイン・クリエイティブセンター神戸」のセンター長を務めた。

著書に『この惑星を遊動する』(岩波書店)、『月面からの眺め』(毎日新聞社)、『別府』(ABI+P3)、港千尋との共著『言葉の宇宙船わたしたちの本のつくり方』(ABI+P3共同出版プロジェクト)、訳書にバックミンスター・フラー『宇宙船地球号操縦マニュアル』(ちくま学芸文庫)、エリッヒ・ヤンツ『自己組織化する宇宙』(工作舎、内田美恵との共訳)、ピーター・マシーセン『雪豹』(ハヤカワ文庫NF)などがある。