上映会
酒井耕・濱口竜介 監督「東北記録映画三部作」

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*このイベントは終了いたしました*
 
2015年3月20日(金)、21日(土)、22日(日)
東北記録映画三部作 上映会

ゲスト:酒井耕(20日、21日、22日)、濱口竜介(20日、21日)
    いとうせいこう(20日)、瀧澤遥風(21日)、小野和子(22日)
 
 
2011年3月11日は、多くの人びとにとって決して忘れることの出来ない日となりました。P3では、大震災という強烈な体験を経た方々に心を寄せ、春のお彼岸にこの東北記録映画三部作全四編を連続上映いたします。

酒井、濱口両監督に加えて、小説「想像ラジオ」で聞こえるはずのない声を通して東日本大震災を語ったいとうせいこう氏、東北の寺院との縁を結び、地方と東京の新たな関係を模索する東長寺住職瀧澤遥風師、「うたうひと」の重要な登場人物でもある小野和子氏を迎えて、各日のトークを行います。P3代表であり本作品共同プロデューサーでもある芹沢高志が聞き手となり、それぞれの立場からのお話しを伺います。
 
 
『なみのおと』『なみのこえ 気仙沼編/新地町編』 『うたうひと』は、酒井耕、濱口竜介両監督が東日本大震災の被災地で、2年の歳月をかけて丁寧につくりあげた映画作品です。
被災の風景はほとんど現れません。前二作では家族、友人、同僚など、親しい間柄の人たちが、あらためてそれぞれの相手と向き合い、話を交わす。そうすることで自身の体験が、語っている現在に引き寄せられて、親しい他者と時空間を共有していく。さらには、歳月を経て見ている観客とも共鳴を起こしていくようにも思えます。最終編となる『うたうひと』では、みやぎ民話の会、小野和子氏の活動を追い、語り継がれる物語りとそれを聞き繋いでいく人びとの呼応を感じることでしょう。語る者と聞く者、その相互作用がそれを聞く私たちのもとへと送り届けられて、私たちは、誰にどうやってそれを引き渡していくのでしょうか。

お彼岸には昼と夜が同じ長さになるため、日本では、あちら側とこちら側が最も通じやすくなると考えられて先祖供養をするようになったといいます。春へと向かうこの時期に、語り尽くせぬ声を聞き、そしてまた語り続けることの意味を考えていきたいと思います。
 
 

 

開催情報

第一部『なみのおと』 with English Subtitles

津波被害を受けた三陸沿岸部に暮らす人々の「対話」を撮り続けたドキュメンタリー映像。
友人、家族、仕事仲間など親しいもの同士が震災について語り合う口承記録の形がとられている。
互いに向き合い対話する事は震災そのものに向き合うことでもあるのかもしれない。被災地の悲惨な映像ではなく、対話から生成される人々の「感情」を映像に残すことで、後世に震災の記憶を伝える。
被災地の悲惨な映像ではなく、対話から生成される人々の「感情」を映した本作の上映後、小説「想像ラジオ」で思いもよらない方法で死者の声を私たちにつなぎ、心を使って耳を澄まして対話することの可能性を示した、いとうせいこう氏をお迎えして酒井耕、濱口竜介両監督が対話します。聞き手はP3代表で「なみのこえ」「うたうひと」の共同プロデューサーでもある芹沢高志。

■ 日時
2015/3/20 [金]
18:30 開場
19:00~21:24 『なみのおと』上映
21:40~22:40 トーク 酒井耕 × 濱口竜介 × いとうせいこう
聞き手:芹沢高志(P3 統括ディレクター / silent voice 共同プロデューサー)

■ 料金
予約 ¥1,500 / 当日 ¥2,000
(1ドリンク付)

■ トークゲスト
いとうせいこう Seiko Ito
1961年、東京都生まれ。 編集者を経て、作家、クリエーターとして、活字・映像・音楽・舞台など、多方面で活躍。 著書に『ノーライフキング』『見仏記』(みうらじゅんと共著)『ボタニカル・ライフ』(第15回講談社エッセイ賞受賞)『想像ラジオ』(第35回野間文芸新人賞受賞)『存在しない小説』『鼻に挟み撃ち 他三編』など。 テレビでは「ビットワールド」(Eテレ)「オトナの!」(TBS)などにレギュラー出演中。「したまちコメディ映画祭in台東」では総合プロデューサーを務め、浅草、上野を拠点に今年で8回目を迎える。


第二部『なみのこえ』 with English Subtitles

『なみのおと』から一年。新地町と気仙沼で記録された、現実にそこに生きる「一人ひとり」の声。百年後、私たちは死者であり、この映画は「死者の声」になっているだろう。ここに収められた彼らの声と、今は聞く事のできない波に消えた声が、百年後の未来で繋がっていることを祈って、この映画『なみのこえ』は撮られている。『なみのこえ 新地町』『なみのこえ 気仙沼』の二編構成。
上映後のゲストには、気仙沼の寺院と縁を結び僧侶の立場から東北の復興を考える萬亀山東長寺の若き住職、瀧澤遥風師をお迎えして、酒井、濱口監督とお話しいただきます。聞き手はP3代表で「なみのこえ」「うたうひと」の共同プロデューサーでもある芹沢高志。

■ 日時
2015/3/21 [土・祝]
13:30開場
14:00~15:23 『なみのこえ 新地町』上映
16:00~17:29 『なみのこえ 気仙沼』上映
18:00~19:00 酒井耕 × 濱口竜介 × 東長寺住職 瀧澤遥風
聞き手:芹沢高志(P3 統括ディレクター / silent voice 共同プロデューサー)
19:00~20:00 懇親会

■ 料金
各編 予約 ¥1,500 / 当日 ¥2,000
(1ドリンク付)

■ トークゲスト
瀧澤 遥風 Yofu Takizawa
1982年東京生まれ。曹洞宗萬亀山東長寺住職。1997年より英国に留学し、ロンドン・ケンブリッジにて学生時代を過ごす。2007年、東長寺先代住職だった父、慈嶽和夫大和尚の他界と同時に仏門に入る。2014年夏より東長三十五世として現職。次代の都市内寺院の在り方を問い、災害対策、震災復興活動、地方支援、文化支援など、既存の寺院活動の枠を超えた活動を構想し、その活動拠点としての新堂「文由閣」が今夏竣工予定。


第三部『うたうひと』with English Subtitles

人から人へと口伝えで受け継がれてきた民話を物語るひとびと。「聞き手」がいることで語りに命が吹き込まれていく独特の場の雰囲気が、 創造的なカメラワークによって記録されている。背景となる人々の暮らしと共に先祖たちの声が甦る。
上映前には、映画に登場する「みやぎ民話の会」小野和子氏による「わたしが出会った民話の語り手たち」と題した講演を行います。「うたうひと」には登場しない語り手たちのエピソードを通して「民話」のもつ魅力をお話しいただきます。
上映後のトークにはやはり小野和子氏にご登壇いただき、「みやぎ民話の会」の記録を継続している酒井耕監督とP3代表で「なみのこえ」「うたうひと」の共同プロデューサーでもある芹沢高志との鼎談を行います。

■ 日時
2015/3/22 [日]
13:00開場
13:30~14:30 小野和子講演「わたしが出会った民話の語り手たち」
14:45~16:45 『うたうひと』上映
17:00~18:00 酒井耕 × 小野和子 × 芹沢高志(P3 統括ディレクター / silent voice 共同プロデューサー)
18:00~19:00 懇親会

■ 料金
予約 ¥2,500 / 当日 ¥3,000
(1ドリンク付)

■ トークゲスト
小野 和子 Kazuko Ono
1934年岐阜県高山市生まれ、1958年より宮城県仙台市在住。東京女子大学日本文学科卒業。
1970年から宮城県を中心に東北地方の民話採訪活動、民話集の編集・編纂に従事。みやぎ民話の会顧問。日本民話の会運営委員。1993年宮城県児童文化おてんとさん賞受賞。2004年地方教育行政功労者文部科学大臣表彰。

各作品内容

今、もっとも忘れてはならないひとつの態度を、
この三部作は語りかけてくれようとしている。

『なみのおと』、『なみのこえ』 (「気仙沼」編、「新地町」編)、『うたうひと』は、酒井耕、濱口竜介両監督が東日本大震災の被災地で、2年の歳月をかけて丁寧につくりあげた東北三部作である。しかしここに、被災の風景はほとんど現れない。あるのはただ、語ること、そして聞くことだ。
『なみのおと』、『なみのこえ』では、夫婦、親子、兄弟、姉妹、同僚といった親しい関係にある人々が、あらためて、それぞれ相手と向かい合い、震災と向かい合い、話を交わす。通常は生涯を通して出逢うこともなかっただろう強烈な体験が引き金となって、彼らの対話は人間関係の本質に深く触れはじめていくのである。一方、『うたうひと』は東北の民話語りを題材に、みやぎ民話の会、小野和子の活動を追ったものだ。震災を直接扱ったものではないが、人はすぐにも『なみのおと』、『なみのこえ』と通底し、呼応しあう、まったく同じ「態度」を見て取るだろう。語ることと聞くこと。聞くことと語ること。今、もっとも忘れてはならないひとつの態度を、この三部作は語りかけてくれようとしている。


 

with English Subtitles

津波被害を受けた三陸沿岸部に暮らす人々の「対話」を撮り続けたドキュメンタリー映像。
友人、家族、仕事仲間など親しいもの同士が震災について語り合う口承記録の形がとられている。
互いに向き合い対話する事は震災そのものに向き合うことでもあるのかもしれない。被災地の悲惨な映像ではなく、対話から生成される人々の「感情」を映像に残すことで、後世に震災の記憶を伝える。

2011年/ドキュメンタリー/日本語/カラー/142分
制作:東京藝術大学大学院映像研究科
制作者:堀越謙三・藤幡正樹
撮影:北川喜雄
整音:黄永昌
制作助成:芳泉文化財団・German Japanese Association
制作協力:せんだいメディアテーク<3がつ11にちをわすれないためにセンター>
配給:silent voice LLP
*ロカルノ国際映画祭2012 コンペ外部門招待作品


 

with English Subtitles

『なみのおと』から一年。新地町と気仙沼での対話が記録された。「被災者」の声ではなく、現実にそこに生きる「一人ひとり」の声として。百年後、私たちは死者であり、この映画は「死者の声」になっているだろう。
ここに収められた彼らの声と、今は聞く事のできない波に消えた声が、百年後の未来で繋がっていることを祈って、この映画『なみのこえ』は撮られている。『なみのこえ 新地町』『なみのこえ 気仙沼』の二編構成。

2013年/ドキュメンタリー/日本語/カラー/109分(気仙沼)、103分(新地町)
実景撮影:佐々木靖之、北川喜雄
整音:鈴木昭彦、黄永昌
カラリスト:馬場一幸
制作者:芹沢高志、相澤久美
制作:silent voice LLP
制作助成:公益社団法人企業メセナ協議会(GBFund)、NPO法人アートNPOリンク(アートNPOエイド)、P3 art and environment、一般社団法人震災リゲイン
制作協力:せんだいメディアテーク<3がつ11にちをわすれないためにセンター>、NPO法人記録と表現とメディアのための組織remo
機材協力:東京藝術大学大学院映像研究科
協力:気仙沼市民会館、気仙沼商工会議所、気仙沼本吉地域防災センター、気仙沼漁業センター、気仙沼大曲コミュニティセンター、新地町役場、目黒鉄工、相馬双葉漁業協同組合新地町支所、新地町図書館、細谷修平、株式会社はらほろ
*山形国際ドキュメンタリー映画祭2013 インターナショナルコンペティション


 

with English Subtitles

古来より口伝えで人々に受け継がれてきた民話。奇想天外な物語のみならず、「語り手」と「聞き手」の間に生まれる独特の場が、創造的なカメラワークによって記録され、スクリーンに再現される。
背景となった人々の暮らしと共に語られることで、先祖たちの声が甦る。
映画と民話の枠を超えた、新たな伝承映画が誕生した。物語の考察なども含め十数話を収録。

2013年/ドキュメンタリー/日本語/カラー/120分
出演:伊藤正子、佐々木健、佐藤玲子、小野和子(みやぎ民話の会)
撮影:飯岡幸子、北川喜雄、佐々木靖之 整音:黄永昌
タイミング:定者如文 制作者:芹沢高志・相澤久美
制作:silent voice LLP
制作助成:文化芸術振興費補助金、公益社団法人企業メセナ協議会(GBFund)、公益財団法人全国税理士共栄会文化財団
制作協力:せんだいメディアテーク<3がつ11にちをわすれないためにセンター>、みやぎ民話の会機材協力:東京藝術大学大学院映像研究科、合同会社epigraph
*山形国際ドキュメンタリー映画祭2013 日本プログラム

出演者
 
 
酒井 耕 Ko Sakaitohoku_005
1979年長野県生まれ。映画監督。現在の活動拠点は東京。東京農業大学在学中に自主制作映画を手掛け、自筆脚本による短編から中編の作品を監督する。卒業後、社会人として働いた後、2005 年に東京藝術大学大学院映像研究科監督領域に入学。黒沢清、北野武に師事し、田辺聖子原作短編落語集より『ホームスイートホーム』(2006年)、修了制作作品『creep』(2007年)等を監督。課程を修了し、現在はフリーの監督として活動中。2011年~2013年にかけて、濱口と共同で東北記録映画三部作『なみのおと』『なみのこえ』『うたうひと』を監督。その後も「せんだいメディアテーク」「みやぎ民話の会」と共同作業を継続し、宮城県に伝わる民話の記録活動を行う。
 
濱口 竜介 Ryusuke Hamaguchi
1978年神奈川県生まれ。東京大学在学中から自主映画の制作を始め、同大学文学部を卒業後、映画の助監督やテレビ番組のADとして働く。2006年に東京藝術大学大学院映像研究科監督領域に入学し、修了制作『PASSION』(2008年)は国内外の映画祭で高い評価を得た。その後も日韓共同製作『THE DEPTHS』(2010年)、4時間に渡る長編『親密さ』(2012年)、染谷将太主演『不気味なものの肌に触れる』(2013年)等を監督。2011年~2013年にかけては東北記録映画三部作『なみのおと』『なみのこえ』『うたうひと』を酒井と共同で監督した。現在は活動拠点を神戸に移し「即興演技ワークショップ」を運営している。2014年春よりワークショップ参加者出演による新作長編映画を撮影中。
 
 
いとうせいこう Seiko Itotohoku_006
1961年、東京都生まれ。
編集者を経て、作家、クリエーターとして、活字・映像・音楽・舞台など、多方面で活躍。
著書に『ノーライフキング』『見仏記』(みうらじゅんと共著)『ボタニカル・ライフ』(第15回講談社エッセイ賞受賞)『想像ラジオ』(第35回野間文芸新人賞受賞)『存在しない小説』『鼻に挟み撃ち 他三編』など。
テレビでは「ビットワールド」(Eテレ)「オトナの!」(TBS)などにレギュラー出演中。「したまちコメディ映画祭in台東」では総合プロデューサーを務め、浅草、上野を拠点に今年で8回目を迎える。
 
 
瀧澤 遥風 Yofu Takizawatohoku_007
1982年東京生まれ。曹洞宗萬亀山東長寺住職。1997年より英国に留学し、ロンドン・ケンブリッジにて学生時代を過ごす。2007年、東長寺先代住職だった父、慈嶽和夫大和尚の他界と同時に仏門に入る。2014年夏より東長三十五世として現職。次代の都市内寺院の在り方を問い、災害対策、震災復興活動、地方支援、文化支援など、既存の寺院活動の枠を超えた活動を構想し、その活動拠点としての新堂「文由閣」が今夏竣工予定。
 
 
小野 和子 Kazuko Onotohoku_008
1934年岐阜県高山市生まれ、1958年より宮城県仙台市在住。東京女子大学日本文学科卒業。
1970年から宮城県を中心に東北地方の民話採訪活動、民話集の編集・編纂に従事。みやぎ民話の会顧問。日本民話の会運営委員。1993年宮城県児童文化おてんとさん賞受賞。2004年地方教育行政功労者文部科学大臣表彰。
 
 
芹沢 高志 Takashi Serizawatohoku_009
1951年東京生まれ。神戸大学理学部数学科、横浜国立大学工学部建築学科を卒業後、(株)リジオナル・プランニング・チームで生態学的土地利用計画の研究に従事。その後、東京・四谷の禅寺、東長寺の新伽藍建設計画に参加したことから、89年にP3 art and environmentを開設。99年までは東長寺境内地下の講堂をベースに、その後は場所を特定せずに、さまざまなアート、環境関係のプロジェクトを展開している。2014年より東長寺対面のビルにプロジェクトスペースを新設。帯広競馬場で開かれたとかち国際現代アート展「デメーテル」総合ディレクター(02年)、アサヒ・アート・フェスティバル事務局長(03年~)、横浜トリエンナーレ2005キュレーター、別府現代芸術フェスティバル「混浴温泉世界」総合ディレクター(09年、12年)、デザイン・クリエイティブセンター神戸(KIITO)センター長(12年~)などを務める。著書に『この惑星を遊動する』(岩波書店)、『月面からの眺め』(毎日新聞社)、『別府』(別府現代芸術フェスティバル「混浴温泉世界」実行委員会)、訳書にバックミンスター・フラー『宇宙船地球号操縦マニュアル』(ちくま学芸文庫)、エリッヒ・ヤンツ『自己組織化する宇宙』(共訳:工作舎)、ケネス・ブラウワー『宇宙船とカヌー』(ヤマケイ文庫)など。

チラシ

[東北記録映画チラシpdf(2.1MB)]

Artist, P3 Project Space, Project, さ行, は行, 濱口竜介, 芹沢高志, 酒井耕